たった3回のレッスンでプロの演奏家とステージに!ユビFESに行ってみた

2016年8月 ユビFES開催
たった3回のレッスンでプロの演奏家とステージに!
ユビFES(コノユビトマレFES)というイベントに込めた価値を斬る

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演奏発表会」と聞いて、どんな印象があるだろうか?
子どもの発表会なら、それが下手なピアノであろうが、可愛い姿を観て癒されるという人も少なくないと思う。

 

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しかしそれが、大人の、だとしたら、どうだろう。

 

ただでさえ忙しい人が多い世の中。来てくれたとしても、大抵家族や友人などの近しい人間。当人の演奏が終われば、「義理を果たせた」とばかりに途中で抜けていく!? だから演奏する側(会員様)も、発表会に自ら積極的に出演しようとは思わない。その証拠に、EYSでは、演奏発表会と内容のイベント参加率はほんの10%。寂しい数字だった。

 

演奏する人(会員様)と観に来る人の間には、常に、「大人の気遣わしさ(きづかわしさ)」というものが存在していた。
だから寒くてイタイイベントになりがち…と、EYSは良く知っている。なぜなら自分たちもその雰囲気をさんざん味わって来てしまったのだから。

 

義理で来ても大満足♪ 音楽とカジノを愉しむ大人のパーティ 「ユビFES ベガスナイト」 をスタート!

そこで代表の吉岡提案のもと、1年間の準備、テスト期間を経て新たな企画をスタートさせた。 「ユビFES」というイベント企画だ。この企画、出演楽器に合わせて3つのタイプがある。
●ビックバンドジャズ「ベガスナイト」
●オペラ歌手と弦楽四重奏による「クラシック」
●和楽器や民族楽器による「民謡魂」

 

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上記の中で今回は、初心者の会員様を対象にした、「ベガスナイト」を紹介する。 原則として、演奏するのは、楽器の演奏をスタートしたばかりの会員様。みなさまには、2~3回レッスンしただけでステージに立って演奏して頂くというもの。

 

「たった3回のレッスンでステージに立つ!?」

 

一番、驚いたのは講師たちだった。幼少の頃から時間をかけ、基礎からしっかりと音楽を学んで来た人にとって、めちゃくちゃなセオリーになるからだ。しかも3回程度のレッスンでステージに立てるような、そんな高いクオリティのレッスンを果たして自分ができるのだろうか?という危惧もある。

 

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吉岡の仮説はこうだ。「人は、楽器をスタートした時が一番モチベーションが高い。その一番高い時に、プロの奏者や他の会員様と一緒にステージに立って頂き、音を合わせること、ステージに立つことの醍醐味を存分に味わうことで、その経験は次への大きなモチベーションとなり、レッスン継続力=上達につながる」。

 

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――なるほど確かにそうかもしれない。
しかし、レッスンを3回しか受けていない素人の演奏を、誰が聴きに来てくれるのだろう。そのイベントは、演奏する人間にとっても、観に来る人間にとっても、満足のいくものにしなければいけない。寒くてイタイイベントはもうこりごりなのだ。

 

吉岡の仮説を実現に導くべく、ユビFESプロジェクト担当の鮎沢をはじめ、演奏家の金籐氏や、作曲家の大西氏などのプロフェッショナル、さらにはEYSで活躍する多くの講師たちと力を合わせ「ベガスナイト」というイベントの実現を進めていく。

 

まずは、実際行なわれたイベントの会場の雰囲気を説明したいと思う。
■会場は…
ブラックジャックやルーレットなどのカジノテーブルが並べられ、「カジノを愉しめるパーティ会場」になっている。そのステージ上には、ビッグバンドが演奏できるよう楽器が並べられている。

 

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■演奏者(会員様)は…
演奏者(会員様)はビッグバンドの一員としてステージ上に立つ。

しかしそれは、あくまでもカジノパーティの「バックミュージックとして」

 

つまり、バックミュージックなので、“注目を浴び過ぎることはない”――ここがこのイベントのポイントの一つだ。 原則、客はパーティを楽しみ、カジノに夢中になっている?! だから、 “緊張することなく” ステージに立つことができる。

 

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自分を囲むのは、プロの演奏家たち。音楽のクオリティは高く保たれている。 さらに、隣には講師がいてくれて、一緒に演奏しサポートしてくれる、初心者でも、気持ちよく安心して演奏できるのも魅力。

 

■観に来た人は…
ステージ上から流れるビッグバンドの生演奏の音のシャワーを浴びながら、食事やお酒、カジノを存分に楽しめる(カジノディーラーが誘導してくれるので初めてでも大丈夫)。もちろんステージ上に演奏者(会員様)に知り合い(家族や友人)がいれば、そのパートだけ、耳を傾ければ良いのだ。自らパーティを楽しみながら、自然と義理は果たされる。

 

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■プラスアルファも!
最後にライブ感満載の至近距離で、ゲスト出演のプロの演奏を聴ける!それは演奏する人にとって、憧れとなり、目標となり、音楽の指標といったものになるかもしれない。イベント参加者にとっては、お金を支払い価値あるライブを間近で観ることができたという満足感につながるだろう。

 

演奏する会員様とそれを観に来た人、双方それぞれがその場に溶け込み、楽しむことができる、両者を満たすフォーマットが完成した。

 

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初心者が演奏しやすいように、講師がレッスンしやすいように、セッションできるように、選曲&編曲をする

しかし、このフォーマットが成功するか否かを左右する大きなファクターが存在していることに注目したい。

 

それは、選曲と編曲だ。

 

繰返しになるがこのイベントの第一の目的は、「初心者が3回のレッスンでステージに立てること」。当然、演奏する曲は、「初心者が演奏できる曲を選ぶこと」からはじまる。

 

まず出演楽器を選定し、その楽器講師に、「初心者が最初に練習するべき曲」をピックアップしてもらう。 次に、その選出曲からイベントにあった曲を選ぶ。そして選曲した曲に合わせ、一つひとつの楽器パートを編曲していくのだ。 最後に、その譜面を用い、講師に、会員様がステージに立てるようレッスンをしてもらう。

 

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実際、編曲を担当した大西氏に話を聞いた。
「例えば、Sing Sing Singという曲は、フルートで演奏するのはとても簡単なんです。でもクラリネットで吹くことはとても難しい。

 

一つの曲でもそれが初心者にとってどういったものなのか、楽器の構造や特徴、音の並び方や、セッションする楽器の組み合わせなどを総合的に判断した上で、楽譜を書き構成していかなければいけないのです」

 

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要するに、一つひとつの楽器の特徴や構造を見極めるとともに、セッションした時に音がどのように混ざり合うかをイメージできるような作曲家が介在していないと、そもそも選曲自体が難しいというわけだ。

 

さらに、その楽譜を用いてほんの3回のレッスンでステージに上げるよう指導する講師の力量も必要だ。

 

スキルよりも、度胸試し!? 参加をきっかけに、音楽への向き合い方が劇的に変わる

一方、演奏者となる参加者はどのように募ったのだろう。初心者でステージに立つには、スキルよりも度胸が必要になりそうだ。
演奏家の金籐氏と作曲家の大西氏は、楽譜ができた時点で、営業・講師向けに説明会を開き参加者を募った。

 

営業は、お客さまのニーズを捉えた上でイベントへの参加を打診する。講師は、会員様の志向や方向性を見定めて出演を打診した。営業~講師の連携は欠かせない。とはいえ、今回は時間がなく充分な告知ができなかったともいう。

 

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実際参加している会員様に話を聞くと、レッスンはまだ2~3回だという人が少なくない。
「レッスンはまだ2回ですが、カラオケボックスで自主練してきました!」(アルト・サックス 男性)
「仕事が忙しくて全然練習できなかったけれど、横に先生がいてくれてサポートしてくれるので心強かったですね。みんなの音と交わって、上手く聴こえたので気分が良かったです(笑)」(エレキ・ベース 女性)

と、それぞれ楽しんでいるようだ。

 

また、3回のレッスンだけでは音が出せないという人を対象に、フルートのみ「音出し保証」を付加した。イベント出演を果たすことを目標に、音が出るまで何回でもEYSのスタジオ内で練習ができるというもの。しかも、講師が常駐しレッスンしてくれるのだ!音が中々出ないと悩んでいた会員様も当日は無事ステージに立っていた。

 

もうお分かりだろう、このイベントは、出演者(会員様)が良い音を出すため、というよりは、 音楽を演奏することの本当の楽しみを知ってもらうためのイベントだということを。

 

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「ステージに立ってみたらワクワクしてやみつきになりそう!もっと上手くなってまた出たいです」(アルト・サックス 女性)
「演奏に入るタイミングがつかめずひたすらカウントしていました。今度は、音を聴いただけでスッと演奏に入れるように練習していきます」(アルト・サックス 女性)

 

なるほど、ステージを経験した後、誰もが次への目標を語っていたことにも注目したい。しかも、一緒に演奏した会員様たちは、緊張や場を共有したことで、「音楽仲間」として仲良くなっていた

 

早い段階でステージでの経験をしていると、普段の練習でも、今やっていることが、どの場面役立つのか、が分かるようになります。しかもその高まったモチベーションは、音楽仲間ができたことも相まって、間違いなくレッスンの継続率につながっていきます」と企画した演奏家の金藤氏。吉岡の仮説通りのことが起こっていた。

 

これをきっかけに、次のセッションへ参加したい、バンドを組んでみたい、といった会員様の声も多く寄せられた

 

講師にとっても同じだ。2~3回でステージに立てるレッスンができた事実は自信となり、次のレッスンへの指標となる。さらにステージをきっかけに、モチベーションが高まった会員様へのレッスンは、やりやすくなるに違いない。

 

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「このイベントは会員様の上達やモチベーションアップのみならず、講師にとってもサポート役になったり初心者の会員様と一緒にステージに上がったりと、質の良いレッスンにつながる取り組みとして捉えてもらえるのではないかと思います。EYSでは運用しやすいよう整えて、ゆくゆくはこのイベントを講師主導で動かしていくものにしたいと考えています」と、実行責任者の鮎澤。

 

当日、会員様一人ひとりに声をかけ、忙しく動き回っていた営業の筒浦も、「レッスン時には中々みれない、テンションが高い?! 会員様のイキイキとした表情が印象的でした。講師との絆も深まった感じがしましたし、会員様同士も仲良くなって盛り上がっていましたね。

 

今後も多くの方にご参加いただけるようインフォメーションから実施までのシステムを確立し、スムーズなイベント開催につなげたいです」と、このイベントの可能性を大いに感じたという。

 

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そしてイベント終盤で、プロフェッショナルによる息の飲むような素晴らしい演奏についても、会員様が口々にしていたのは、 「この曲が弾きたい、いい音が出したい、という技術的な上達をしたいというのはあるけれど、何よりも演奏している姿がとても楽しそうで、あんな風に笑顔でみんなと演奏できるようになりたいです!

 

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このイベントを通して、スタートしたばかりの会員様一人ひとりをEnjoy Your Sound の入り口に導けたことは、大きい。

 

今後さらにブラッシュアップを重ね、EYS音楽教室に入会する大きなきっかけや、継続する理由になるように、このイベントが成長していくことを期待し、見守っていきたい。
文章だけでは伝えきれない臨場感を、ぜひイベントに参加して、多くの人に体感して欲しいと思う。

 

このイベントに参加してくださったプロのミュージシャン
■「手数王」の異名を持ち国内外で多くのファンを持つ
ドラマー 菅沼孝三(すがぬまこうぞう)氏
オフィシャルHP
http://www.kozosuganuma.com/

 

■名だたるミュージシャン達のアリーナ級のツアーを帯同する
サックスプレイヤー 阿部剛(あべたけし)氏

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取材・文 三浦 久美子
EYSの事業に興味を抱く外部ライター。 今後も、皆様に役立つ情報をご紹介したいと思っております

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